WordPressでのECサイトについて
WordPress(ワードプレス)は世界一のサイト制作のプラットフォームで、パッケージ(システム)は無料でカンタンにサイトを作れるため個人から大手企業(過去にもホワイトハウス)まで幅広く使用されています。そのためECサイトをWordPressで構築している方も多いです。
そんなWordPressでのECサイトの構築や運営ですが、販売規模や販売戦略においてはWordPressでECサイトを作るのはあまりおすすめしません。いくつか理由がありますが、それを簡単に書いていきたいと思います。
あくまでも自分の知識やスキルでの見解で、WordPressでECサイトを運営するメリットもあり費用は高額になりますがサポートや高品質を求めるのであればプロ(制作会社)に制作や保守を依頼できます。
それらを踏まえてECサイトの構築やサイトを運営する前の参考にしていた頂ければと思います。※また、このサイトはポートフォリオサイトでもあるので別ページで自身が『ECサイトを構築しない理由』を別途まとめて投稿します。
まずは、おすすめしないと言いつつ、メリットから……
ECサイトをWordPressで作るメリット
コストを減らせる
ECサイトにWordPressを使う最大のメリットは構築と運営にかかる費用(初期費用とランニングコスト)を最小限に抑えられることです。
WordPressは誰でも無料で利用できるオープンソースのCMS(コンテンツ・マネージメント・システム)で、ECサイトに必要なプラグインも多くのものが無料で提供(決済手数料有り)されています。これに対してECパッケージやネットショップサービスにはライセンス料や使用料(決済手数料含む)がかかるものも少なくありません。
ただ、無料のWordPressやプラグインを自社向けにカスタマイズを行うと費用が思った以上に掛かるケースも多々あります。しかしながら条件によってはECパッケージ(サービス)よりもWordPressを使うほうが安く抑えられるのでコストだけを考えれば十分にメリットと言えるかと思います。
デザインが豊富
WordPressを実際に利用したことのある人の多くがデザイン面の自由度の高さにメリットを感じていると言われています。WordPressにはインストールしてすぐに利用できるテーマが多数多様に存在しているので好みにあうものを選ぶだけで初心者でも簡単に制作できるためです。※ECサイト用のテーマも多々あります。
次の項目で詳しくお話しますが本来、ECサイトのコンセプト(目的)で制作されていないテーマを使うことは可能(以下、理由)です。
カスタマイズ
WordPressのテーマによっては独自のデザイン(センス)があるものや、レイアウトや配色などを柔軟に変更できる機能をもった高機能なテーマ(有料テーマが多い)ものも多々あります。WordPressのテーマはある程度サイトのコンセプト(目的)を持ったテーマが多いですが、WordPressのテーマはカスタマイズ(改変)して使うことが可能なので制作者や運営者の知識やスキルに応じてカスタマイズできます。
そのため、Webデザインに詳しい人なら既存のテーマに独自のスタイルや機能を付け加えることもできるかと思います。それ以外にサイトのイメージを他の方に伝えてアウトソーシング(外部発注)も可能です。
プログラミングのスキル(PHPなど)があれば独自の機能を追加するなどの機能的なカスタマイズも可能です。※ご自身でするのはおすすめはしませんが……ただ、簡単なことであればWordPressは非常に利用者が多いためテーマのカスタマイズに関する情報も入手しやすいです。
ブログもレビューも作れる
WordPressでECサイトを作るということは商品販売とブログ運営を単一のシステムで行えるようにするということでもあります。また、某ネットショップ(ア〇ゾン)のように商品のレビューなどの機能も追加できます。
サイト内で販売している商品に関するブログ記事を同じドメインから発信できるほかに商品に関する評価やレビュー(口コミ)も発信が可能です。※評価やレビューはサテライトサイトが望ましいです
そんなこともあってWordPressでのサイト構築は「コンテンツマーケティング」に適した形だと思います。コンテンツマーケティングとは独自の情報(コンテンツ)を提供することによって集客を狙うマーケティング手法です。
利用者(ユーザー)にとって価値の高い情報をブログや評価やレビューで発信することによって潜在顧客を自社商品に惹きつけられます。なお、コンテンツマーケティングではGoogleなどの検索エンジンから流入するユーザーを主なターゲットとします。そのため、SEOを意識した対策は欠かすことができません。WordPressはGoogleも認めるほどSEOに強いブログシステムとして知られているため、この点についても問題ないかと思います。
ECサイトをWordPressで作るデメリット
WordPressによるECサイトの構築や運営で失敗しないためにはデメリットについても知っておくべきだと思います。ここからはWordPressとプラグインでECサイトを構築・運営する際に問題になるかもしれない点についてを書いていきます。
EC機能のカスタマイズが難しい
WordPressでECサイトを構築するときにほとんどがECプラグインをインストールして利用することになります。メリットで書いたことはWordPressとテーマ上の基本機能やデザインなどのことで、ここで上げる点とは違います。プラグインは無料に利用できますが、すべての作業(設定)を自力で行わなければならないということもあります。
ドメインやサーバーの準備からシステムのインストールや各種設定まで初心者には難しい作業が少なくありません。特に決済などの設定やて続きなども簡単ではありません。
さらに他とは違う部分も部分を出したいときはカスタマイズをする必要があり専門的な知識が必要になります。デザインのカスタマイズ(変更)にはHTMLやCSS、機能の追加にはPHPなど、Webやプログラミング言語に関するスキルが求められます。
周りに技術者がいなければ思い通りのサイトに仕上がるまでに想像以上の時間がかかってしまうかもしれません。また、別じ項目でお話しますが、セキュリティ被害に遭わないようにするためにも幅広い知識をもった技術者が必要になります。
決済方法の種類が決まってしまう
プラグインで導入できる決済方法が限られているという点も、WordPressでECサイトを運営する際のデメリットです。色々なプラグインがありますが、WordPress上で決済ができるかどうかはそれぞれの決済サービスに対応したプラグインがあるかどうかに依存するためです。
いくつかのクレジットカードにのみ対応できれば十分という場合は問題ありませんが、広範囲のクレジットカード決済や新しい決済サービスには対応できないかもしれません。デジタル決済のAmazon PayやLINE Pay、定期購読(サブスクリプション)などに対応することで売上を伸ばしていきたい場合は注意が必要です。
セキュリティのリスクがある
ECパッケージやネットショップを利用してもセキュリティのリスクは存在します。ただ、WordPressでECサイトを構築するなら「WordPressは世界中のハッカーから狙われやすいシステムである」ということを知っておく必要があります。
これはWordPressが世界でもっとも利用者の多いWebシステムのプラットフォームであるためです。Windowsパソコンを狙ったコンピューターウイルスが多いのと同じ理由です。
ECサイトには顧客の個人情報(氏名/住所/電話番号など)が保管されています。情報流出のような事態を避けるためにはWordPressのセキュリティが破られないように対策しなければなりません。
WordPressが攻撃を受けてもECシステムが別になっていれば少ない被害で済みますが、ECシステムのプラグインを使っている場合は被害が大きくなる恐れがあります。そのため、WordPressやテーマやプラグインを常に最新のセキュリティを施した状態にしておくことが非常に重要です。
セキュリティのリスクへの対応はサイトを構築して終わりではなく、ECサイトの運営が続く限り継続的に行う必要があります。
ECサイトを構築するためのプラグイン
ECサイトには必須ともいえる基本の機能があります。テーマに自体に組み込まれていたり、デザインが《〇×△プラグインに最適化されているそのプラグインを導入(インストール)することでECサイトを構築(運用)できます。
そんなEC機能のプラグインで、WordPressのECサイトを構築する際にチェックしておくべき3つの基本機能について上げておきます。※商品(在庫含む)を管理する機能については必須項目で、その機能なしではECサイトではないので基本機能のチェック項目より割愛します。
ショッピングカートと決済システム
ECサイトにおいてショッピングカートと決済システムはもっとも基本的な機能です。ショッピングカートはユーザーが欲しいと思った商品を記憶しておくための「買い物カゴ」です。購入画面に進むとショッピングカートに入れてある商品の合計金額を計算して提示します。その際、ECシステムが行う金額の計算は消費税のほか送料や手数料、クーポンやポイントによる割引きなどを適用するため意外に複雑です。
決済後には注文確認メールの自動送信や会員限定でクーポンを配布したりポイントを付与したりするような機能を備えているものもあります。決済システムはECサイトがどのような決済方法に対応できるかを決める重要な要素です。
銀行振込やクレジットカード払いはもちろん、代金引換や後払い、各種電子マネーによる支払いなど、多様化が進む決済手段に対応可能なプラグインを選ぶと良いかと思います。
売上管理を管理する機能
ECサイトには販売に関するさまざまな業務を管理するための多くの機能が備わっています。受注処理や出荷状況の管理、商品在庫のチェックや顧客へのメール送信などが含まれます。どの機能もパソコンでのアプリ(ソフトウェア)と同等の機能がWebサーバー上に実装されています。
また、販売データを商品名や注文日で絞り込んで分析すれば販売戦略も自身できるようになります。
顧客情報の管理をする機能
ECサイトの顧客情報は単に商品の発送先として使われるだけのものではありません。登録してくれたユーザーとコミュニケーションをとり、新たな販売機会を獲得するためにも活用できます。例えば、会員向けのメールマガジンを配信するというのはもっともシンプルな使い方です。
まとめ
WordPressでECサイトを構築や運営(アウトソーシングするにしても)するためにはある程度の知識が必要になります。メリットやデメリットを考える必要もあるので項目を簡単にまとめておきます。
WordPressで作るメリット
WordPressで作るデメリット
WordPressでECサイトを立ち上げるのは一長一短でメリットは運営側にあります。また、デメリットは利用者側にも影響するので運営する際には十分に検討や対応が必要です。ECサイトを立ち上げる目的はあくまで「成果(売上やブランド力)を上げる」ことで費用や規模を考えて高品質なECサイトを構築(運営)するならサポート(保守)やセキュリティがしっかりしている有償のECシステム(パッケージやサービス)がおすすめです。